フォーミングインナーについて

フォーミングのしくみ

フォーミングボトル イソシアネイト(左上小ボトル)とボリオール(大ボトル)を
混合する、数分後にはウレタンに変化します。
foamとは泡立つ、発泡すると
いうみです。そしてできたスポンジをウレタンフォームといいます。ウレタンによる注入
作業のことを、フォーミングといいます。シリコンの場合フォーミングとは呼べない。形づくるという意味
ではフォームミングといえるかもしれないが、シリコンの場合はシリコンを注入という。シェルをオーブンに入れ加熱
して変形させるようなムチャのやりかたをシェルフォームと呼んでいる例があるが、フォーミングとはぜんぜんちがう。
フォーミングというのは、イソシアネイトとポリオールを混合させて行われる作業をいう。サンマルコでフォーミングしま
したとか言う方がおられるが、むかしのサンマルコもフォーミングだったが、VX・ZX・TRシリーズはシリコン。純正の
インナーの場合フォーミングではないので。(トップレーサーやEXシリーズはフォーミング)
カットサンプル ノーマルのインナーブーツには、最初からスポンジ等が入っていますが
フォーミングインナーは、袋状になっており、その部分に液が入って行き
ます。足とシェルとの隙間を、ウレタンフォームがつつみ込むようになりま
す。
シェルとは、殻つまり、ブーツのプラスチック部分
注入 原理は、簡単なのですが、実際はいろいろな工程が、必要となります。
足をいれて即注入という訳にはいきません。さらに密度の濃いウレタン
(ヘタリにくくする)ためには、大変微妙なテクニックが必要です。
うまくフォーミングすれば、非常に快適で、カントも正確にでますが、専門
知識のない人がやれば、10分もはけない、ブーツになってしまいます。
フォーミングのノウハウを皆さんもここで知りたいと思う気持ちは、大変よく
わかりますが、そこは、企業ヒミツ。。。

作るお店によって仕上がりが違う例

インナー密度 某スキー専門店(大型店)でフォーミングされたのですが
痛くて履けないと、再フォーミングに来られておいていか
れたのが、右のインナーです。
左の当店のインナーとくらべ、空洞があるのが
おわかりいただけると思います。化学反応で発生する
ガスの処理がまずいため、インナーがふくれてしまって
います。こういうインナーは最初はきつくてしびれ、ある
日突然、へたってしまうのです。フォーミングは痛いとか
へたりやすいというのは、作り手がへたなだけなのです
が。。。

フォーミングの歴史

サンマルコ フォーミングは1970年頃、皮のスキーブーツからプラスチックブーツ(当時はそう呼んでいた)に変わった時に生まれました。ラングのシェルにウエットスーツの素材をはいてその隙間にウレタンを注入したのがはじまりです。サンマルコがいまのようにインナーブーツにホースが2本つくという形を最初にだしました。 ミズノ
koflack しかしその当時の注入剤は、発泡ウレタンというより発泡プラスチックというもので、固く、痛くて履けるものではありませんでした。当店でも、私が高校生のころ私の父がレタポアのフォーミングをしフォーミングは絶対だめだと言っていました。私はそのころインターハイ選手でバイソンと言うメーカーから空気を注入するタイプのブーツを提供をうけ履いていました。弁がしょっちゅうこわれれ、つねにスペーアーをもっていて修理しながら履いていました。私は、エアーはだめだとその時思いました。 1971年12月のミズノの広告

プラスチックエイジをひらいた美津濃の技術が、ワンモールド<プラスチック>スキー靴に、フォームフィットを組み合わせた国産初のスキー靴を完成。発泡プラスチックを足のまわりに注入するので、完全なフィット感が得られます。型くずれせず、耐久力も抜群。サッポロとともに脚光をあびる未来派です。

写真及び広告のコピーはスキージャーナル誌1971年12月号の広告より抜粋

sidas社の歴史

1985sidas フランスsidas社は、1975年多くがフォーミングインナーの
開発をやめた中、フォーミングシステムの良さに注目し、開発
を独自で始めた、ハード優先の中、足の加圧分布の測定方法
や、カスタムインソール必要性等ソフト面の開発をおこたらなか
った。いまでは、シダスといえばスキーヤーのあこがれであるが
日本に入ってきた当初、知る人はあまりいなかった。ポドスコー
プを最初に見た時これこそ、スキーヤーの悩みを解決するなと
思った。(本当はスキーヤーとして私自身さがしつづけていたも
のなのですのです。)
1997sidas


ウレタンフォームインナー・シリコンインナー・サーモインナー・ノーマルインナーの違いについて

ウレタンフォームインナー
(フォーミングインナー)
混合したとき、発泡するので
フォーミングといわれる。
足の隅々に隙間なく注入される、発泡時にガスが発生
するので、作る時は痛い。うまくやれば足にあったへたり
の少ないものができる。ただしテクニックが必要。
シリコンインナー 歯医者さんで、歯形をとる時に
つかうような素材を専用のガンで
注入する。
発泡性がないので専用のガンが必要。さらにインナーの
なかで、まんべんなく液がまわるようにしないと全部には
いきわたらない。
素材が重いので、内部にスポンジをいれておきそのすきまに
注入する。シリコンはヘタリにくいが、そのスポンジが
へたったり、その部分があったったりする。
サーモーインナー オーブンの中にいれて
熱を加え変形さす。
量販店向けのもの、アルバイト
でも、できるというのがウリ。
スノボーのソフトインナーに使うのならまだしも、
カスタムインナーと言っていいのか?
ブーツのことがわかっていたらこれは、薦められない。
ノーマルインナー 普通のインナー
ガムパットや、メモリーフォームを使っているとかいっても
所詮、完璧にあうはずがない。シーズン10日ぐらいしか
滑らない人や、苦痛を感じない人ならいいかもしれない。
痛いのがいやで大き目を履いたり、フィット感をもとめるため
指を曲げて小さいのをはいたりしている。
ノーマルインナーのブーツを持ってこられて、フォーミング
した後、ノーマルインナーと比較したら、「ようこんなんでスキー
をしていたな」とみんな言います。


シリコンガン
このような器具を用いたものはシリコン
注入であってフォーミングではありません。
シリコンがすべて悪い訳ではないのですが。
シリコンの注入部分 ノーマルインナー
シリコンを注入するためのガン。
エキスパートにはシリコンを増量して
つかったり、初中級者モデルにフォー
ミングモデルがなく数年前はよくやって
いましたが、現在当店ではすべてウレ
タンフォーミングです。(当店では付属のシリ
コンではタングの部分が不足するので、増量してい
ました。)

シリコン注入インナーの内部。スポンジが
厚く、足のボリュームのある人には、使え
なかった。このスポンジが薄いインナーも
最近出てきているが、その分シリコンが
多くなり必要以上に重くなってしまう。
タング(甲やスネの部分)に注入されないため、カントが
正確にでない。
ノーマルインナーの内部
誰にでも履くことができるインナーブーツ。
履くことはできるが、正確なカントや
快適なフィットは期待しないほうがよい。


質問や相談があったら遠慮なく E−mail info@royalsports.com

Copyright (C) 1998. Takahito Tanaka All Right Reserved. (禁無断転用)
link free